やぎがひつじのしあわせの謎に迫る★②
羊一朗ワールドに引き込まれた
八木さん(俺だよ)は、ご機嫌なまま、
サクサクと午前中の仕事を終えて、
羊一朗の仕事が終わるのを待っていた
「八木さん、お待たせしてすみません。
やっと終わりました!」
「お~し!お疲れさん。
今日は何を食おうか?
俺はホヤ以外に嫌いな物はないよ。
よっぽどじゃない限りは美味しく食べられる。
世界のどこへ行ったって大丈夫さ。
羊一朗が食べたい物を言ってごらんよ!」
と昨日に引き続き、兄さん風を吹かしてみた
羊一朗は遠慮がちに
「インド料理はどうですか?」って。
「あ~いいね!じゃ、そうしよう」
って事になり、入り口で少しだけ、順番待ちして、席についた。
お店の中には、若い女性しかいなくて、
背広姿の俺たちはちょびっと浮いてる感じがしないでもないけど、
気にせず、2人ともランチのBコースを注文
アツアツのガーリックナンをちぎりながら、
焦るな!俺っと気合いを入れ
さり気なく他愛のない社内の話などしてみたりして。
焦るな!俺っなどと自分に言い聞かせた割に出た言葉は
「羊一朗、ところでいつも怒られてるお前なのに、いつも幸せそうなのはなんでなんだよ~!そこんとこ、とっても興味があるんだよね~。教えろっ。」
あいや~ど直球だな~こりゃ。
ど直球、そこが俺が山羊たる由縁・・
あっ八木でした~
あははっ、長所って事にしとこう!
お調子者の八木さんの軽妙なトークに
すっかり巻き込まれてる羊一朗も
軽快に
「えっ。八木さん、聞きたいですか?
この話、最後まで聞いたら、高いですけど、
大丈夫ですか?
何回払いにしますか?えへへ」
「えへへってお前、そういう事も言えるのかよ~!驚いちゃうね~!全く。
どうして、会社じゃお前のそういう所が出せない訳?!
みんな、お前のそんな一面を知ったら、
鼻から牛乳を吹き出しちゃうよ。
うんうん、出ちゃうよ。
って牛乳なんて飲んでる人もいないけどさ」
羊一朗は、八木さんの強烈な照れ隠しを感じ取り、おどけて答えたけど、
八木さんの質問がとっても嬉しかった。
「八木さん、僕が毎日、しあわせを感じて生きてる理由は話せば、長くなるんですけど、最後まで聞いて頂けますか?」
「聞く気満々で質問したんだから、
そりゃ聞くに決まってるでしょ!
それより何より、
お前、俺の昨日の頼み事を忘れちゃってるだろ?
もし、俺が鹿田課長だったら、怒っちゃてるよ~!
昨日の今日でもう忘れたのかってさ。全く!」
「あっ、全くって俺の口癖だから、気にしないで。全く。。出ちゃうんだよ。全く。
あっ、それより、俺の言ってる事、分かる?
敬語の事さ。
楽に喋ってくれよ~!
しかし、ここのカレー旨いね!
辛いだけじゃないもの。奥深い!
そりゃ、女の子も並ぶよなぁ~」
羊一朗は八木さんに慣れてきたとは言え、
八木ワールドの展開の速さに付いてゆくのは必死だった。
一体、どこに相槌を打ったら、いいんだろう?
まさか、大きな独り言じゃないよね?
「八木さん、では羊一朗のしあわせの秘密を話し始めようと思うのですが
どうやら、女の子達が店の外まで並んでるようなので、お店かえますか?」
そんな事に気付くような繊細さを持ち合わせてない八木さん(俺だよ)は、
羊一朗の細やかな気遣いにビックリ!!
そして、心の中で
こういう素敵な所を仕事に活かせばいいのに。
残念!って思いながら、
「おおっ、そうだな。
女の子達にも店にもわるいもんな移動するか~。おおっ、ついでにここは俺が。」
と気分良く先輩風を吹かして、
伝票を持って立ち上がった
お昼休み、残す所、10分。
これじゃ、羊一朗の話せば長い話の入り口にも辿り着けないかもなぁ。
まるで、千夜一夜物語みたいだけど、
こりゃ、明日の昼飯には聞けるかな?
「羊一朗、喫茶店に入るには時間が足りないから、今日の所は缶コーヒーでも飲む事にして、
明日の昼飯の時にでも、ゆっくり聞かせてくれよ~」
「って事は明日も八木さんと一緒に昼飯食えるんですか?ヤッター!!」
おおっ、この喜びようは、
また抱きつかれるかって、
感のいい俺は2歩後ろに下がってみたよ。
すっかり、俺に慣れた羊一朗は
「明日はパスタなんかどうすか?」って。
「おお!パスタ、いいね~。
それにしても、どうすか?って
お前、似合わないね~。
敬語が楽なら、敬語で結構。
よし、いよいよ、明日にはお前の幸せの秘密を聞かせて貰えるんだよな?」
嬉しそうに軽やかな足取りで歩く
羊一朗の背中に小さな翼が・・
見えたような気がした八木さんでした。
つづく
お待たせしました~(*^_^*)
やぎさんと羊一朗の話、
一体、どこに行くのか?
最後まで書けるのか!?
どんな結末が待ってるのでしょうか?
とりあえず、おやすみなさい(^_^)ノ
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